きつねはどこ?
私はどんな子供だったのか
父の長姉である伯母によれば
お店にはいって、きつねうどんを注文して、うどんが運ばれて来ると
「きつねはどこ?」といって、箸で探してたそうだ
きつねを食べるつもりだったのか・・・な?
家族で寄席にいったらしい
舞台の袖から出てきた林家三平に向かって
「さんぺいちゃーん!」と大声で叫んだそうだ
喜んだ三平ちゃんは、自分の噺が終わって、袖に引き上げる時に
「お嬢ちゃん、バイバーイ」と何とか言ってくれたらしい
なかなか度胸があるじゃん
お隣の居間にあがりこんで、ちゃぶ台の上に体を伸ばして
のっかってたお漬物を食べた
という話も聞いた
遠慮のない子供だ
もともとは、結構、天真爛漫なところが、あったんだろう
それが、つぶされてゆくんだから、育つ環境ってほんとうに大事だ
それも自分の「魂」が、成長するために選んだ学びのプロセス、とも読むけど
そのプロセスは、私にとって、過酷で、恐ろしく長かった
「長かった」と過去形にできるか、まだわからない
なぜなら、これで終わったと思ったら
また、ぞろ出てくるからだ
まるで、たまねぎみたいだ
剥いても剥いても、次がある
一生剥き続けるのかもしれない