何のために生きているのか
中三の秋から、やおら始めた受験勉強で、なんとか新設の都立高校に受かり
そこでは、成績もそこそこよく
大学はなんとかひとつ引っ掛かって、私立の女子大の英文科に進んだ
授業にはちゃんと出たし、勉強もしたけれど
なぜそれを勉強しているのか
将来何になりたいのか、何をしたいのか
何も見えなかった
たいして勉強もせず受験した教員採用試験には、なぜか受かったが(父の知り合いの関係だったかもしれない)、教師になる気持ちにはなれなかった
働いてみたい会社もなく、どんな仕事をしたいのかもわからないので、聞いたことのある会社や父親の勧める会社の面接を受け、これも受かったのは一か所だったと思う
そこに勤めた
漠然と、いずれは結婚するものと思っていたが
結婚式やウェディングドレスへの夢は、どういう訳か、まったくなかった
結婚に対するあこがれもなければ、子供が欲しいという気持ちもなかった
仕事は楽しかったし、アフターファイブの接待や上司との飲み会もしょっちゅうあった
バブルの時代で、何軒もハシゴしたあげくに、タクシー券で帰宅するのが午前様も当たり前
その時その時は、それでよかったが
ふと、何のために生きているのか、わからない・・・と思うことが時々あった
まるで、深い霧の中にいるような、感覚
日々、目の前にある、やらなければいけないことはやっていたが
将来を夢見るとか、何かを考えてわくわくする・・・ということがほとんどなかった
ある意味、死んだように生きている、感じだった
外見だけで判断すれば、そんな風には見えなかっただろう
よほど勘の鋭い人か、よく私を観察しているんでなければ
でも、中身は死んでいるのに近かったように思う
というか、本来の自分、というものが、死んでいた
あるいは、かなり病んで弱っていた、のかもしれない