自分を大事にする その2
母は私に「自分を大事にするって、どういうことなのか、わからない」
と言ったが
私も、自分を大事にするって、どういうことなのか、わかってなかった
よって、当然のことながら、今考えれば、自分をまったく大切にしない行動をとった
一番、顕著なのが、そして我ながら痛ましいのは、処女を喪失した時だ
大学生の時だったけど、正確にいくつだったのか、覚えていない
二十歳すぎていたか、いないか・・・だったと思う
相手は、伊丹の中学校時代の友達で、彼もたまたま父親の転勤で、東京に暮らしていた
どうやって、再度つながったのか記憶にないが
中学時代、頭が良くてカッコイイと、女子に人気のある子だったが、私は他に片思いしている男子がいたし
当時も、再会してからも、その子のことは、特にすごく好きというわけではなかった
飲みに行くようになり、特につきあっているという感じでもなかったのに、彼の下宿先で、初めてのセックスをした
その時、私は生理中だった
今思えば、ひどい話だ
そんな時に、初めての体験をすることにした自分も
そんな時に、あえてしたその子も、だ
当時、大学の同級生と初めてのセックスの話題が出ていて
そのせいで、私の中に、乗り遅れまいとの対抗意識でもあったんだろうか
その子とは、その後、何度か会ったけれど、すぐ別れた
昔見た映画の中で
心が寂しいと、体でその寂しさを満たすようになる
というセリフがあった
私は、まさにそんな感じだった と思う
体を重ねることで、その時は、寂しいことを忘れたかもしれないが
当然ながら、心の隙間は、そんな一時しのぎで埋まるものではなかった