母のこと-2
母との思い出で、思い出すたびに胸が締めつけられるようになることがある
広島に住んでいた頃のような気がするから、小学校高学年だ
私は、何かのことで母に手伝ってほしいと頼んだか、何かを尋ねたんだと思う
はっきり覚えていない
はっきり覚えているのは、母の返事が
「ママがいなかったら、どうするの?」
だったことだ
私は反射的に、カチーンときて
「ママがいるから、きいてるんじゃないっ!?」
と激昂し、同時に
「じゃあ、いいよ!もうきかないっ!(尋ねない)」
と心底拗ねた
実際に母にそう言ったのか、心の中でそう叫んで心のシャッターをぴしゃっと下ろしたのか、覚えていない
母からもらいたかったのは、そんな返事じゃなかった
ものごころついてからずっと、私は食卓に向かい合って座った母の愚痴を聞き、母を心配してきた
母のカウンセラーだった
「そんなに嫌なら別れていいよ」と何度も言ったように思う
なのに、私が困った時や、父に叱られる時
母が、私を手助けしてくれたり、父の叱責からかばってくれた記憶がない
時には、父と一緒になって私を叱った、ように思う
実際は違ったのかもしれない
私の記憶が、間違っているのかもしれない
でも、私が子供のころずっと感じていたのは
ママはずるい 私はママが困ったとき話を聞いてあげているのに
私が困ったときに、ママは私を助けてくれない
だった