最初の記憶
小さい頃の記憶は、あまりない
一番最初の記憶として思い出すのは
朝、目が覚めて、布団の上で起き上がったら、そこに座っていたのは
母ではなく、同居していたおばあちゃん(父の母親)
思わず「ママは?」と思ったか、言ったか
その後、お誕生日のケーキを朝ごはんに食べたような気がする
もうひとつは
私は道路かどこかで遊んでいて
そこにバスが来た
バス停からそのバスに母が乗り込むのが見える
母は私には気づいていない
私は大声で「ママーっ!」と母を呼ぶ
でも、母は私の声に気づかないまま、バスに乗り込んでしまった
どちらも私が幼稚園にあがる前だと思う
そして、このふたつの記憶が、ほんとうにあったことなのか
私の想像なのか、正直わからない
でも、私にとっては「実際にあったこと」だ
私は、つい最近還暦を迎えたばかりの60のおばさん(自分ではまだそう思ってないけど)である
なのに、この場面を思い出すと今でも、切なくなる
ママ、なんで私が起きたらそばにいてくれないの?
ママ、どうして私が呼んでるのに、気づかないで行っちゃうの?
子供のままの私が、今でもそう言ってる
あの時は、それが言えなかった
小さかったから
そして、拗ねてしまったから
ほんとは泣いてたのに
やったことは、怒ることだった