はりぼてタコのひとりごと

(旧)なめたらいかんぜよ!タコの毒吐きブログ

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

父の血 その8

母が急死した後もしばらく、父は関西の冷蔵会社の役員を務めた 一部上場の水産会社からやってきたお飾りのようなもので、仕事らしい仕事もなかったらしい 母が亡くなり、そこを退職するまでの数か月の間に、父は派手な健康問題を起こした ある日の夕方、帰り…

大自然のなかで

55歳になる年の春、初めてひとりで、ワイオミング州にあるグランドティトン国立公園内のリゾートで、泊まりこみで夏の仕事をした ロッジにあるギフトショップの店員として働いた ちょっともめごともあったけど、ほぼすべてが楽しかった 何よりもよかったのは…

父の血 その7

海外に住むようになって、里帰りすることがあると 父は、私のスケジュールを勝手に仕切った 里帰りの飛行機代は、私が自分で払っているのに、私は自分のスケジュールを自分の好きなように組めない 滞在中の私の食事予定を、朝、昼、晩、毎日、勝手に決めた …

母のこと -7 薬は要らなかった

精神病院って、ほんとうに必要なんだろうか? 母に限って言えば、母は精神病院に入院する必要はなかったと思う 精神病院または精神科の閉鎖病棟へ見舞いに行ったことがある人なんて、あんまりいないと思うけど、あそこは私にはものすごく怖いところだった 行…

続 阪神淡路大震災 

卓上コンロのガスボンベを載せたカートを引っ張りながら、JRの階段を上ったり下りたりして、乗り換え、乗り換え、川西の家に着いた 家で何をしたのか、今となってはぜんぜん覚えていないが、週末の一泊か二泊だから、たいしたことはできなかったはずだ 買い…

阪神淡路大震災

阪神淡路大震災が起こった時、すでに父は取締役をしていた水産会社から、関西のxx冷蔵という会社に左遷になって、母とふたり川西の新築一軒家に住んでいた 妹はすでに看護士になっていて、都心に部屋を借りて一人暮らししていたと思う 私は、市川の自宅マ…

自分がわからない

大人になってから、どうにも違和感を感じることがあった 例えば、友達と温泉に行く 服を脱いで、ロッカーにしまう 風呂場に行って、体を洗ったり、浴槽につかる 風呂から上がって、体を拭き、化粧品をつけたり、髪をドライヤーで乾かしたり そういうなんてこ…

父の血 その6

いつから父のことが嫌いになったのか、わからない 家の中で、正しいのは父ひとりだけだった 誕生日とかお出かけとか、楽しいはずの日は、必ずと言っていいほど 父の機嫌が悪くなることで、終わった だから、楽しいはずの日も「最後はどうせパパの機嫌が悪く…

根無し草

ずっと自分のことを「根無し草」だと感じていた 母とも父とも心のつながりが感じられず 近くにいてくれる祖母になつくと母を裏切るようで、ほんとうにはなつけなかった 妹が生まれても、10歳も年下だから、姉妹で遊ぶ、というよりも 私が小さな妹の面倒をみ…

何のために生きているのか

中三の秋から、やおら始めた受験勉強で、なんとか新設の都立高校に受かり そこでは、成績もそこそこよく 大学はなんとかひとつ引っ掛かって、私立の女子大の英文科に進んだ 授業にはちゃんと出たし、勉強もしたけれど なぜそれを勉強しているのか 将来何にな…

シンデレラ・エクスプレス

いちばん身近な存在のはずの、母親とも父親とも、幼い頃から信頼関係が築けなかった いつの頃からか、自分の周りに壁を作って、鎧兜を身に着けて、自分を守っていた 何かあれば、すぐ心のシャッターを下ろして、ひざを抱えて丸くなる 私の心は、どんどん固く…

自分を大事にする その2

母は私に「自分を大事にするって、どういうことなのか、わからない」 と言ったが 私も、自分を大事にするって、どういうことなのか、わかってなかった よって、当然のことながら、今考えれば、自分をまったく大切にしない行動をとった 一番、顕著なのが、そ…

ブラックホール

最近になって、つくづく思う 母親が子供に与える影響は、大きい ものすごく大きい 父親の比じゃない 世の中で、大きな仕事をする人は、ほぼ例外なく、母親を慕っている、愛している、感謝している それを公言できる ジェーン・グドオール女史も RBG(ルース…

鮨の順番

戦争中に少年時代を過ごし、飛行機乗りになりたいと思い、食べるものも満足にないなか育った父は、食べることが好きだった 戦争中、カボチャばかり食べさせられたから、もうカボチャはいらんと言っていた 長崎、広島、伊丹と引っ越した先々で、お客があると…

自分を大事にする

「自分を大事にするって、どういうことなのか、わからない」 これはある日、母が私に言ったことだ 3人の機能不全な大人に囲まれて、機能不全な家庭に育った私は、いつも答えを探し続けていた 自分の「問い」がなんなのかわからないまま、「答え」を探してい…